2018年12月25日火曜日
猛毒ソウシハギが危ない!
先日,三重県で猛毒のソウシハギがカワハギと間違って販売されたと,ニュースになっていた。幸い,中毒や入院のようなニュースが出ていないので,大丈夫だったみたいでよかったです。
売られていた時は,皮を剥がれていたので,カワハギと見分けがつかないから。
ソウシハギの毒は,「パリトキシン」といって猛毒。その内蔵にパリトキシンが含まれるが,実は,内臓以外は食べても大丈夫。
「パリトキシン」は,ソウシハギだけでなく,アオブダイやブダイの内臓にも含まれている。これらも,内臓以外は食べても問題ない。実際,沖縄県、奄美大島などではいずれも一般的な食用魚とのこと。
「パリトキシン」毒の由来はよくわかっていないようだが,プランクトンや微生物由来の食物連鎖でこれらの魚の内臓で濃縮されているらしい。
ソウシハギは,体表の文様が草紙文様のようで,仲間のカワハギとは全く違うが,一度皮を剥いでしまうと同じようになってしまう。カワハギの肝は,海のフォアグラと言われて美味なだけに,ソウシハギの肝を間違って食べると大変なことになる。
「パリトキシン」毒は,かなり複雑な化学構造をしていて,細胞膜のナトリウムチャネルに影響を与え,ナトリウムイオンの透過性をあげる。
マウスに対する半数致死量は0.15 µg/kgで、フグ毒のテトロドトキシン(8 µg/kg)よりも強いとのこと。体重50kgの人に対する致死量は,(半数致死量の倍として)計算すると15µgと半端なく少ない。