2014年4月4日金曜日

クジラがもう食べれなくなる?

日本の南極海での調査捕鯨に対し、オーストラリアが中止を求めてオランダ・ハーグにある国際司法裁判所(ICJ)に提訴していた裁判で、日本の活動は、調査捕鯨を超えて商業捕鯨であり、条約違反とする判決が下された。

日本が捕獲するミンククジラの数が年間850頭前後に達していていること、殺さずに調査する可能性を十分に検討していない、などが理由。

ICJの判決には上訴の手段がなく、この判決に日本政府は従わざるを得ない。ただ、現在の方法を見直せば、調査捕鯨を再開する道は開かれるが、従来どおりの捕獲量はもう望めないという。

1987年に商業捕鯨中止になってから久しい。それまでは、鶏肉よりも最も安い肉として、日本人のタンパク源だった。独特の臭みはあるが、さしみ、はりはり鍋や竜田揚げは美味しい。ただ、商業捕鯨中止後、価格が高騰して、普段から食べることがなくなるのに伴い、需要も減ってきて、在庫が余る状態になっているという。

オーストラリアも昔は、捕鯨しいていた。鯨油や、様々な日用品の素材として骨が主にとられた。しかし、両方とも、代替するものができ、オーストラリアは動物愛護に態度を変えていった。鯨やイルカが特に知的な動物で、何本ものもりで殺す残虐を許せないという。

欧米でも捕鯨は以前はかなり行なわれていた。ランプなどに使う鯨油が主な目的であったが、食肉の習慣は一部に限られていた。鯨油の必要がなくなったため、現在は捕鯨には反対の意見が多い。

しかし、オーストラリアにしても、欧米にしても、過去に乱獲して鯨を絶滅に瀕しさせてきた責任は重い。日本の調査捕鯨の意味は、鯨の生存を保つのが目的であるので、彼らの過去の尻拭いを日本がやっているところもある。

日本の主張は、伝統的な食文化だということ。日本では、仏教の伝来とともに牛、鳥、猪などの肉を食べるなという禁止令が長く出ていてた。一般の日本人が牛の肉を食べ始めたのは、明治になってから。

当時は、動物性のタンパク源は魚に限られていた。日本では、鯨も魚と考えられていたので、捕鯨が行なわれ、鯨の食文化が定着した。

イヌイット(カナダ)やエスキモー(アメリカ)は、先住民生存捕鯨といって、捕鯨が許されており、鯨肉は普通に市場に出ている。これの仲間に日本も認めてほしいとしているが、他の物を食べることができる日本は認められないでいる。

動物愛護といいながら感情的な逆風で捕鯨できなくなるのは、日本の事情が十分伝わっていないからで、日本政府の努力が足らないとしか言えない。

山口下関は、かつて捕鯨の基地として栄え、 今でも調査捕鯨船の入出港のでもある。下関市は年12回、学校給食に鯨肉を取り入れるなどの普及啓発にも力を入れている。

日本は調査捕鯨を続けながら商業捕鯨の再開をめざしてきたが、鯨肉の国内需要は急速に縮小している。このまま、鯨を食べる文化を絶やしてよいのか、今回のことで考える機会ができたのではないだろうか。

現在、日本以外に捕鯨しているのは、ノルウェーとアイスランド。日本はアイスランドから鯨肉を輸入もしている。南氷洋での捕鯨は今期はできなくなったが、北太平洋や近海での調査捕鯨は継続できる。その意味では、鯨肉が市場から消えることはなさそう。

くじらが食べれなくなる