その日は、波は穏やかだった。何故、船が沈没したのだろうか?
旅客船は、濃霧で出発が約3時間遅れた。旅客船は韓国海洋水産省が勧告する航路とは違う航路を運航しており、出発の遅れを取り戻すために、航路を変更して、潮流の速い難所を操船することになり、暗礁に衝突したらしい。
さらに悪いことに、出港が遅れたため、担当時間がずれ、船長は操舵室におらず、25歳の女性の3等航海士が初めての海域を担当することになった。
直接の事故原因は、旅客船が針路を変更する際に急激に方向転換したことらしい。救助された乗客の証言から、積載していたコンテナや車両などの貨物が、急激な針路変更の勢いで一方に動き、その偏りで船体のバランスが崩れて横倒しになったらしい。
積載した貨物は普通固定されているが、固定が十分でなく、急激な方向転換で船が傾くとともに動き、これが船のバランスをさらに崩す結果となったようだ。
船の改造も事故の遠因になっている。「セウォル号」は元々日本の船だったが、韓国は中古で買って、上層にさらに部屋を造る改装を行なっていた。結果、船全体の重心が高くなって、改装前の船に比べ、バランスが悪い状態になっていた。
船が傾くと、船長と船員は乗客を残して船を離れた。救命ボートを下ろすこともしていなかった。事故後の乗客への指示にも問題があった。船室から出るなというもので、もしこの時点で船上に出ていれば、船が沈むまでにしばらく時間があったので、助かった可能性が高い。
日本政府は、韓国政府に支援を打診したが、韓国側から要請はなく断られた。日本はこの手の事故のノウハウを多く持っているので残念。朴政権の「反日」と関係があるなら、あまりにも了見が狭い話。
今回の事故は、不幸な偶然も重なったが、船長が正しく判断行動していれば起こらなかった人災といえる。今後、クレーンで船を引き上げる作業が行なわれるという。作業には、一ヶ月もかかるという。