生卵を食べる習慣は、世界的にはほとんどない。アメリカでも、卵はなまで食べてはいけないことになっている。基本、外国で、生卵をなまで食べてはいけない。サルモネラ菌がいて、食中毒になるからだ。
平成23年8月、宮崎県延岡市で70代女性が自宅で生卵を食べ、サルモネラ菌の食中毒で死亡した。女性の遺族が卵の生産業者を訴えた訴訟で先月、「生産業者に責任あり」との判決が出され、業者に賠償命令することになった。
国内の卵は生食を前提とした衛生対策が必要で、生産業者がそれを怠ったのが食中毒の原因とみなされたようだ。
日本の卵は、鶏に餌に抗生物質を混ぜ、細菌の増殖を抑えてなま食用に耐えるようになっている。しかし、鶏は総排泄腔といって、肛門・排尿口・生殖口が1つになっているので、ウンチ、オシッコと同じ穴から卵が出てくる。
サルモネラ菌は、主にはニワトリの腸管にいて、卵の殻に付着することが多い。よって基本的には、殻の外を洗えば菌は落ちるし、普通にスーパーで売っている卵はすでに洗浄してある。ただ、サルモネラ菌は細胞内に寄生することができるので、もし健康保菌の鶏がいると、産んだ卵の内側に菌を持っていることがたまにある。
サルモネラ食中毒は、口から食べることで入った菌が腸管上皮細胞に感染する。主な症状は、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状や発熱などで、時には重症化し敗血症を合併し、死亡することがある。
予防で消費者ができることは、
卵を購入したら冷蔵庫で保存して、菌の繁殖が起こらないようにし、早めに消費する。
なま食で使う分は、購入後早めに使う。
病気のときのように体調が悪い時は免疫力も落ちているので、なま卵は食べない。
賞味期限経過後の卵やひびが入った卵は加熱して使用すること。
割ってから2時間以上経過した卵は、なまで使用しない。
などなど。