機会があって、泡盛(あわもり)の製造方法について調べてみた。同じ蒸留酒である焼酎と作り方が違うのかしら?
「泡盛」の名の由来は、 蒸留のとき、導管から垂れてくる泡盛が受壷に落ちる時、泡が盛り上がる状態を見て「泡盛る」となり、転じて「泡盛」となった。
泡盛(あわもり)は、主としてインディカ米(タイ米)を原料とする。米焼酎は、ジャポニカ米(日本米)を使う。もともと、泡盛のルーツは、タイ由来説と中国福建由来説がある。
泡盛と米焼酎のもう2つめの違いは、麹(こうじ)菌の種類。泡盛は黒麹(アワモリコウジカビ)を使うのに対し、米焼酎は白麹を使う。
3つめの違いは、泡盛は、原料の炊いた米すべてを麹菌と混ぜ、米麹にし、水と酵母を加えて発酵させる(全麹仕込み)。 対して、焼酎は、まず米麹あるいは麦麹をつくり、それに水と酵母を加えて発酵させ(1次仕込み)、その途中で主原料となる芋や麦、米、そばなどを仕込んでさらに発酵させる(2次仕込み)。
高温多湿の沖縄では、1,2次仕込みと分けて時間をかけると雑菌が繁殖するので、最初から麹菌とまぜる全麹仕込みが向いている。
4つめの違いは、蒸留方法。泡盛は常圧蒸留に対して、焼酎は減圧蒸留が一般的。減圧蒸留は、蒸留釜の内部の気圧を下げて40~50度で蒸留する方法。この方法では、限られた成分だけが蒸留されるので、雑味が減りクセがなくなる。
逆に、常圧蒸留する泡盛は、様々な成分を含むが、保存にともなって化学変化する(熟成する)ため特別な味わいのある古酒(クース)ができる。
今回初めて知ったが、沖縄の酒税は本土に比べて優遇されている。これは1972年の本土復帰特別措置に基づく優遇措置で、沖縄県内で製造され、消費されるお酒の酒税は、現在も泡盛が35%、その他のお酒が20%軽減されている。このような優遇が未だに続いているのは、納得がいかないが、その話はまたの機会に。
かってながら、本場泡盛、「久米島の久米仙」がおすすめ。