「キルスイッチ」というのは遠隔操作でスマホを使用不能にでき、盗難の抑止策になる機能。2015年から米カリフォルニア州で販売されるスマートフォンに「キルスイッチ」を付けることが義務付けられることになった。
キルスイッチは、現在アップルの「iPhone」の大半の機種に付いている。所有者は、盗難にあったり落としたりした場合に、遠隔操作でスマホを使用不能にできる。
米国ではスマホの盗難が社会問題になっていて、昨年1年間に米国で盗まれたスマホの台数は推計で前年の2倍に近い310万台に上っている。
キルスイッチ機能の導入により、今年ニューヨークやロンドン、サンフランシスコでのアップル製端末の盗難率が実際低下したという。ニューヨークで29%、ロンドンで24%、サンフランシスコで38%も減った。スマホの盗難は割りに合わないということだ。
一方、キルスイッチ機能のないサムスン電子製のスマホの盗難が増加した。(サムスンにもオプションで機能をつけることはできている)グーグルとマイクロソフトも自社開発のソフトを使って同様の機能を端末に搭載する予定。
スマホには、本人しか使えないようにするロック機能があるが、一旦盗難にあうと、専門の業者がいるようで簡単にロックは解除されてしまう。ネット上には、スマホを買い取るサイトはいくらでもあるという。
キルスイッチにも問題はある。悪質なハッカーがこの機能を逆手に取って、政府や公共の電話を使用できなくしたり、無差別に大量の電話を同時に使用不能にすることも可能になるかもしれない。