実は、甘みや油脂、だしなどおいしい物を食べると脳内でβエンドルフィン(快感物質)が
出る。これが「過度の食欲」の原因となる。
CMの、”おいしいものは脂肪と 糖でできている”というのは言い得て妙で、正しい。
「意志の力」があれば、食べ過ぎを抑えることができるとよく言われるが、おいしい物を食べたときの脳の反応を調べると、前頭前野(意志の力を発揮する部分)の活動が明確に減少する。これは、意志だけではおいしい物に打ち勝つことができないことを意味する。
胃が空になると交感神経が摂食中枢を刺激し、空腹感を引き起こす。空腹感を抑えるためには、カロリーを摂取せずに胃を満たす方法が一般的。カロリーの低い野菜やコンニャクなど。最近人気の炭酸水を飲むのも同じ効果(炭酸水についての以前のblogはココ)。
血糖値が下がることも、空腹感を引き起こす。ここを我慢すると、体内に蓄えられていた脂肪などが分解して糖になり、血糖値が下がらないように維持しようとする。
食後、当然血糖値は増加するが、高い状態が長いと、糖を脂肪に換えて蓄積することが始まる。血糖値が上がるのはしかたないが、できるだけ上がる時間を短くすることで脂肪を付きにくくできる。
食事では、野菜などの食物繊維を食べたあとに炭水化物を摂取することで、血糖値の上昇が緩やかになる。流行りの『食べ順ダイエット』は、この原理。
食事をよく咬んで、時間をかけて食べることも効果的。食材のおいしさも分かり、満足感も得られるし、血糖値は穏やかに上がる。また、血糖値が上がりすぎないので、脂肪も付きにくくなる。
またよく咬むと、脳の中でヒスタミンが増加する。ヒスタミンはアレルギー反応に関わる物質でもあるが、咬んだ刺激で脳内結節乳頭核で生産されると、満腹中枢が刺激され満腹感が高まる。
昔から「よく咬んで食べなさい」と言われてきたが、咬むことで直接満腹感を高めてくれる効果があったということだ。昔の人の話は奥が深い。
3時くらいに空腹を感じたら、ガムを咬むのは食欲を抑えるのに有効。