2014年9月2日火曜日

代ゼミ事業縮小へ 少子化の波で

大手予備校の「代々木ゼミナール」が、全国に27ある拠点校のうち20校を来年3月で閉鎖すると発表した。また、来年4月以降は全国規模の模擬試験も廃止する。駿台、河合塾と並ぶ大手予備校も少子化で大幅縮小を余儀なくされた。

代ゼミは1957年に創立され、80年代には全国に拠点を設け、89年には日本武道館で入学式もやった。しかし、少子化は確実にすすんでいた。18歳人口は92年の205万人をピークに減り始め、01年には151万人、14年には118万人にまで減っている(↓)。

代ゼミは、浪人生を対象にした予備校だが、少子化で、大学進学を希望する学生数が大学の募集の数より少ない「全入時代」を迎え、浪人数が減少してきた。1990年代前半に全国で20万人程度いた浪人生が今春には8万人程度まで減った。

大部屋で数百人が同時に受ける授業形式で対応できない学生には、昨今流行っている個別指導形式が向いている。少子化のなか、代ゼミはこのような学生にも対応できなかった。

また、駿台予備学校や河合塾が国公立の理工系の指導に強みがあるのに対して、代ゼミは私大文系の受験生の指導を得意分野としてきた。日本の景気後退で理系希望が増し、かつ授業料が安い国公立への志望が増したことも、代ゼミに逆風になった。

文科省によると、平成4年以降、18歳人口は減少を続けているが、大学入学者数は増加している(大学と短大を合わせ進学率は54%)が頭打ちの状態。一方、平成33年(2021年)ごろからは再び18歳人口が大きく減り始めていく。予備校だけでなく、大学、短大なども今後、生き残りをかけた氷河期がやってくることになる。





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