2014年5月5日月曜日

伝染病はしかが流行 かかると大変 ワクチン接種を

今年1月から4月6日までのはしか(麻しん)の患者数が253人に達し、昨年1年間(232人)を上回ったことが15日、国立感染症研究所のまとめで分かった。

今年初めにはフィリピンなど、はしかの流行国に渡航した人が帰国後に発症するケースが目立ったが、その後は国内で感染した患者が増えた。現在の患者数は昨年同時期の2.8倍に上る。10歳未満患者が半数を占めるという。

例年は、春先から初夏に本格的に流行するので、まだこれから増えると思われる。ワクチン未接種の人は、注意が必要。医者もインフルエンザと間違いやすく、治療が遅れることが多い。

はしかは、1998年までは伝染病予防法に 定められたコレラ、赤痢、ペストなどの「法定伝染病」の次に来る「届出伝染病」だった。現在、伝染病予防法は廃止され、はしかは「感染症予防法」により危険な感染症として分類されている。

「恋ははしかのようなもの」という言葉は、「誰もが一度は若い時に経験するもの」の比喩に使うが、ワクチンのない時代多くの人が苦しんだころの話。しかし、今でも発展途上国を中心に、毎年87万以上の人が亡くなっている。

はしかは、麻しんウイルスによって引き起こされる。感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は季節性インフルエンザの6倍で非常に強く、手洗い、マスクのみで予防はできない。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症する。

感染してから約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れる。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現。3~4割の患者は重症化して、肺炎や脳炎などで入院することになる。

はしかに対して、有効な治療薬はないが、麻しんワクチンが有効な予防法。接種は2回必要で、1回では完全でない。一度感染した人は免疫があるので、ワクチン接種は必要ない。1歳児と小学校に入る前の子どもは、ワクチンを無料で接種できるので早めに接種した方がよい。

妊娠中に麻しんにかかると流産や早産を起こす可能性がある。妊娠前にワクチン接種を受けることを検討すべきだが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ない。流行時には外出を避け、人込みに近づかないようにするなどの注意が必要。

厚労省と文科省が作っているポスター(ココ)では、「100万回のハグより、2回のはしかワクチンを」というキャッチフレーズで、接種を勧めている。

麻しんの流行状況等に関する情報は、国立感染症研究所感染症情報センター(ココ)。


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