島根県で、9日、出雲市内の親子がニラと間違え、有毒植物のスイセンの葉を食べ、食中毒になった。このようなニラとスイセンの間違いによる食中毒は頻繁に起こっている。
発表によると、2人の自宅庭にはニラとスイセンがともに自生。8日、ニラとともにスイセンの葉も摘み、スパゲティの具として食べた。直後に嘔吐などの症状を訴えて市内の医療機関を受診、スイセンによる食中毒と判明したという。
少し前、4日にも岐阜県関市内の会社の従業員5人が、長良川の河川敷でスイセンを採取し、夕方に会社で炒めて食べたところ、10~20分後に吐き気などの症状で救急搬送されたという。
ニラとスイセンの葉は、非常に似ており見分けるのは難しい(下写真)。加えてなぜか、ニラとスイセンは同じ場所にいることが多い。スイセンは、アルカロイドという有毒成分を含み、加熱しても分解しない。
ニラとスイセンを見分けるのはどうすればよいか?
花が咲いている時に間違う人はいない。しかし、葉しかないときは、区別できない。少し、スイセンの方が幅が広めで分厚い。片方しかない場合、断定はむつかしい。根っこまで抜くと、スイセンは鱗茎といって、球根があるので、これで分かる。
他には、ニラの葉には特有の臭いがあり、スイセンの葉には臭いがない。ニラを採る時は、必ず臭いを確認すること。必要なら、少し裂いて指で潰すようにこすると匂いがはっきり分かる。
他にも野外の植物を間違って食べて、食中毒が発生、場合によっては死亡する事件はよくある。
昨年6月、石川県と札幌市で、アルカロイド毒をもつ「イヌサフラン」を誤食したことによる食中毒が発生した。「イヌサフラン」は、葉がギョウジャニンニクやギボウシ等に類似していている。
また、一昨年には、北海道でニリンソウと間違えて、「トリカブト」を食べ、2人が死亡する食中毒事件が発生している。「トリカブト」も、食用野草であるニリンソウやモミジガサと間違って誤食されやすい。
どれも、野外に案外あるので、取って食べたくなるが、気をつけましょう。