2014年5月10日土曜日

それは物忘れ、それとも認知症? その区別と防止法

物忘れは、歳とともに増えてくるもの。物忘れが増える理由の1つに深刻な認知症もある。認知症の場合には、進行する前にできるだけ早く病院に受診する必要がある。

まずは、単なる物忘れか、認知症かの見極め方法について。数年前のNHK「ためしてガッテン」でこのテーマがあった。『認知症を早期発見 30秒で認知症か物忘れか見分ける方法』

群馬大学の山口教授が考案した「キツネ・ハト模倣テスト」という方法が紹介された。

これは影絵の際に手でつくる動物の形で、「キツネ」は中指と薬指と親指をくっつけてキツネの鼻を表し、人差し指と小指を立てて耳を表す形。

「ハト」は胸の前で両手の平を自分に向け、親指同士をクロスさせてハトが羽ばたく様子
の形。

これを認知症が疑われる家族の人に試す。

「キツネ・ハト模倣テスト」のやり方は、
① 向かい合って座る
②「私の手を見て同じ形を作ってください」と1回だけ言う。
③「キツネ」の形をつくり、10秒間見せる。
④「ハト」の形をつくり、10秒間見せる。

「キツネ」はほぼ簡単に真似できるようだが、「ハト」の形を真似る場合は、”視点取得”という能力が必要で、手の平の向きがどうなっているかの認識力が必要になり、認知症の場合はこれに欠けるらしい。

このテストでは、年齢による物忘れの人ではほぼ正答率が100%なのに対し、「MCI(軽度認知障害)」では42%に、軽度認知症では23%に落ちていた。

この方法で、認知症の前の段階といえるMCIを見極めることができれば、早く治療を始められ、認知症への進行も大幅に遅らせられる。

さて、認知症でないと分かったところで、物忘れを防ぐ方法について何かないか調べてみた。一時記憶を司る「海馬」と、脳の司令塔である「前頭葉」の衰えが、物忘れの原因として考えられている。

物忘れを防ぐには、記憶力を上げる方法と、物忘れそのものが起こらないような工夫がある。

【記憶力を上げるには】

学生時代、試験勉強のために英単語や歴史の年代を丸覚えしたことはないだろうか?繰り返し覚えたことは、記憶に残りやすい。また、覚えないといけないというストレスは、結果記憶力を上げる。

毎日の生活で、記憶力を上げるために、なにか思い出すようにすることが効果的。例えば、昨日までの1週間のご飯のメニューを思い出してみる。買い物に行ったときに何を買ったか、店の中をどのように歩いたかを思い出す。1日1回これを繰り返すと記憶力は上がる。

また、車をとめる場所を毎回変える。同じ場所だと、習慣的に行動してしまうので、毎回変えることで、駐車場所を思い出さないといけなくなる。

【物忘れそのものが起こらないような工夫】

1日でやらないといけないことを忘れたくなければ、簡単なところでは、今日一日することをメモにつける。そしてやったら順番に消していく。そのごとにメモを見ることになるので、何度もその日にやることが記憶に残る。

鍵をどこに置いたのか分からなくなるなど、メモできない物忘れはどうするか?電車の車掌や危険な工事現場ではやったことを確認するのに、指をさして声をだしながら「〜はOK」とかやっている。「鍵はココに置く」とか言いながら置いて、記憶を深くさせるのが効果的。

もし、完全に鍵の場所が分からなくなったら? それまでの鍛えた記憶力で行動を順番に思い出す。部屋に入って、洗面台の前に行って、それからテレビの前に行った、というふうに。鍵が部屋の中にある確信があるなら。。ですが。

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