2015年10月16日金曜日

瑕疵(かし)という言葉の意味

先日、沖縄県の翁長知事は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、辺野古の埋め立て承認に「瑕疵(かし)」があったとして承認を取り消す手続きを行った。この「瑕疵」というあまり聞きなれない言葉を、調べてみた。

「瑕疵」というのは、法律用語で、欠陥、欠点という意味。

たとえば、「瑕疵担保責任」というのは、新しく家を買ったとき、家に欠陥(雨もりなど)があったとする。専門家でないと分からないような欠陥(瑕疵)であった場合、購入時には買主は知りようがない。

買主は瑕疵があることを知った時から、1年以内なら売主に対し、損害賠償の請求もしくは契約解除ができる。電気製品が補償1年とあるのは、ここから来る。

ある中古車販売店で、「即引き渡し、ノークレームで」という車を購入して、しばらくしてブレーキが効かなくなった場合、「ノークレーム」ということであきらめることはない。売り主は「瑕疵担保責任」があり、補償の義務がある。

普天間の問題に話を戻すと、翁長知事が指摘した「瑕疵」というのは、(1)埋め立ての必要性に合理的な疑いがある(2)埋め立てで生じる利益と不利益を比べると合理的ではない(3)環境保全措置が適正と言い難い(4)法律に基づく既存の環境保全計画に違反している可能性が高い。

これに対し、防衛省は所管する国土交通省に取り消し処分の効力停止と処分の取り消しを求める行政不服審査を申し立てる。効力停止は認められる見通しで、防衛省は移設作業を進めることができる。

これに対して、翁長氏は工事差し止めを求める訴訟を起こし、法廷闘争に発展する見通しだ。

普天間の問題で、日本の防衛の負担を沖縄の人々に多くかけてきたのは、本土の人間として申し訳ないと思う。中国の脅威が迫っているなか、地政学的に、米軍基地の場所を動かすことは難しいだろう。

沖縄の中で、人口が密集する普天間の危険性を考えるなら、辺野古移設はベストではなくともベターな選択に思う。

一方、きれいなサンゴ礁を埋め立てるのは忍びないのも分かる。財政のことを考えなければ、いっそのこと、尖閣列島のそばにフロート型人工島を作って基地を移設するのがよいのだが。オリンピックの新規会場に使うお金があれば可能ではないか。。


翁長






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