「松きのこ」というのをご存知だろうか?広島県世羅町「世羅きのこ園」が十数年前、マツタケとシイタケの菌を共生させ、突然変異で生まれたという。
世羅町はかつて、松茸の一大生産地だった。しかし、年々その収穫量は減り、松茸の人工栽培の研究に着手したという。
残念ながら、その研究は実らなかったが、副産物として生まれたのが、「松きのこ」。ジューシーで、松茸の香りがして、生でも食べられるのが大きな特徴。料理素材としての可能性も大きい。
マツタケは未だに天然ものしかないので、山に行ってたまたま見つけるしかなくどうしても高価になるが、「松きのこ」は菌床で培養できるので、いくらでも増やせる。
今はまだ大量生産のシステムができていないようで、「ひろしまみなとマルシェ」でしか売っていないらしいが、そのうち広島県ブランドになって流通すると思う。
ネーミングが、まがい物みたいでもう1つだが、高価なマツタケの代わりになるならありがたい。
亡くなった義父が、広島大学学生時代お金がなく、同級生と囲んですき焼きをするのに、お肉の代わりにたくさんのマツタケを入れたと話していたのを思い出した。そんな時代もあったのだ。