2015年11月12日木曜日

シジミは肝臓によい訳ではない

シジミは体によい、肝臓によい、ということで、シジミエキス入りの食品があふれている。ところが、肝臓の調子がすでに悪い人には、シジミは摂らない方よい。

肝臓は、体内で最大の臓器で、代謝、解毒、体液の恒常性の維持、アルコール分解、胆汁の生産などたくさんの機能を持っている。

肝臓は再生能力が高く、半分を失っても残りががんばって元に戻る。このため、少しぐらい機能低下しても自覚症状がないため、「沈黙の臓器」と呼ばれる。(ちなみに、膵臓、卵巣も「沈黙の臓器」と呼ばれる)

シジミに含まれるアミノ酸の一種のオルニチンは、肝臓細胞のミトコンドリアで有毒なアンモニアを分解するのに関与する。オルニチンは肝臓の働きに必要ということで、肝臓によいとされている。それで、お酒を飲んだあとにはよいとされる。

実は、オルニチンを口から摂取しても、肝臓細胞内のミトコンドリアまでは行かないので、本当は効果はほとんどない。

シジミには、鉄分も多く含まれていて、100gで5.3mg含まれる。鉄分が多いとされるホウレンソウ(0.9mg)、牛肉レバー(4mg)より多い。(各食品の鉄分の含量はココを参照)

近年、鉄分の多い食品を控えることで肝機能が改善することが分かってきている。肝臓は鉄を貯蔵する機能もある臓器だが、脂肪肝などで肝機能が悪い人では、肝臓に過剰な鉄が蓄積する。というわけで、肝臓の調子がすでに悪い人は、鉄分の多いシジミは控えた方がよい。


シジミ


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